こんにちは、皆さん。今回は、Power of Attorney(委任状)を利用する際の注意すべきポイントと、悪用される可能性がある実例について詳しく解説します。大切な法的手続きを進める際に知っておくべき情報をご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。
Power of Attorney(委任状)の基本 まず、Power of Attorneyとは、代理人に特定の権限を付与する文書のことです。この文書を利用することで、本人が身体的に行動できない状況下で代理人が法的な手続きや判断を行うことができます。 今回は訴訟の当事者会社となった際、法的手続きを代理人に委任する際に必要になる「委任状」に関して記載します。
訴訟ですので、信頼できる弁護士(代理人)の選定やどのようにコミュニケーションを取るかはもちろん重要ですが、委任状に関しては、具体的には以下のポイントを押さえる必要がありす。
1. 委任範囲の明確な定義が必要 Power of Attorneyの文書には、代理人の権限を明確に定義することが欠かせません。しかし、曖昧な表現や十分でない定義、または定義を省いてしまうと、本来の意図から逸脱した行動が起こる可能性があります。具体的な業務や判断を明示的に定義することで、誤解やトラブルを回避できます。 たとえば、特定の裁判の弁護士として選定、委任したつもりが、全ての訴訟、和解済みの訴訟(和解契約書)の代理人、として、委任をしたと捉えられることもあります。つまり、タイの場合、裁判における弁護士への委任状は、裁判所にファイリングして、裁判所システムを通じた法的拘束力が認定されますので、注意が必要です。
2 有効期間の設定 有効期間を設定することも大切なポイントです。期限を定めることで、代理人が長期間にわたって権限を行使し続けるリスクを軽減できます。期限切れ前に必要な手続きを確実に行えるよう、適切な期間を設定しましょう。 期限を設定することで、行動を制限しておかないと、コミュニケーションを取るインセンティブも無くなります。今日日付で有効期間の設定がない委任状を出した場合、将来的な訴訟も委任範囲に含まれる可能性があり、非常にリスクが高い委任状となります。
以上の注意点を踏まえて、Power of Attorneyを利用する際は慎重な検討が必要です。タイ語の資料に署名を求められる場合が多く発生しますが、将来的なトラブルを最小限に抑えるためにも、タイ人スタッフではなく弁護士にその委任状の内容、委任範囲について確認しましょう。
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